サッポロビールさんの事例から学ぶ ~ 小さな会社ができるWebマーケテイング
「北海道Likers」や「百人ビールラボ」という名前を聞いたことがありますか?
北海道Likersは、北海道の素敵な魅力を発信して、北海道を盛り上げる、北海道を愛する人たちのためのコミュニティサイトです。
http://www.hokkaidolikers.com/
https://www.facebook.com/HokkaidoLikers.jp
百人ビールラボは、SNSを活用してビールをファンと一緒に開発するプロジェクト。
http://100beer.sapporobeer.jp/
どちらも、サッポロビール株式会社さんが運営しています。
サッポロビールさんは、「サッポログループネットショップ」でネット専用のビールを中心に販売するなど、
インターネットを活用したマーケテイングに力を入れていらっしゃいます。
昨日、私はサッポロビールのデジタルマーケテイング室長の工藤光孝さんの講演を聞いてきたんですよ。
それも、サッポロビール園で!!
この企画は、私も所属している北海道中小企業家同友会札幌支部 広報情報委員会で行いました。
提案がされたときから、私は絶対に参加しようと思っていました。
デジタルマーケテイング・Webマーケテイングは、私の得意な事柄ですからね。
最近は、エクスマで小さな会社のことに集中して学んでいたので、大企業はどんなことをしているのか知りたいという気持ちもありました。
1時間半の講演で、デジタルマーケテイング室の業務、ユーザー行動の変化、ECショップ、SNS活用について伺いました。
お話を聞いていて、「これは小さな会社も見習うべきだ」「これは小さな会社こそできるのではないか」と気づきがありましたので、ブログにまとめます。
ネットを使う目的と誰に買ってほしいのか明確にしよう
消費者の行動パターンが変わり、従来の売り方ではモノが売れなくなってきたという悩みは、会社の大きさに関係なく同じだなと講演を聞きながら思っていました。
新たなお客様、新たな販路が必要だと感じたとき、インターネットを活用してみよう考えることは、大企業も中小企業も変わりません。
モノが売れなくなってきた。お酒の消費量が減ってきた。さぁどうする?
インターネット活用のために、サッポロビールさんが取り組んだことは小さな会社でも参考になると思います
1. どのように情報発信をするのか、目的と手段を明確にした
ひとつひとつの施策に、ストーリーがあります。
2. 情報を届けたいお客様を知る
どの層の顧客にむけて、どのように情報発信をするのか議論されています。
3. 会社プロジェクトとして動いている
デジタルマーケテイング室という部署があるのですから、
会社としてインターネットの活用は業務であると認めています。
目的と手段を明確にする
「インターネットでものが売れるらしいから、うちの会社でもやってみよう」
このように思いつくことはよいことだと私は思います。
ですが、ここで考えが止まってしまい、ネット活用と言う割にはなかなか進まないという会社も多いのではないか。
そんな風に私は考えています。
インターネットを活用するならば、何のために行うのか目的を明確にして、
実際に行動できるようにするまで、手段などを考えることが大切です。
たとえば、サッポロビールさんの「百人ビールラボ」のサイトコンセプトは、
「顧客とともに作って売る、新しい手法の開発への挑戦」だそうです。
ソャーシャルメディアの活用、ユーザー参加型の商品開発スキームの模索、定期購買・リピート購買のECモデル確立へのチャレンジと、目的が明確になっています。
ここは、小さな会社でもお手本にするべことだと思います。
新しい商品を売るために、ネットを活用しようということにとどまっては、最初の思い付きのままです。
情報を届けたいお客様を知る
消費者の行動が変わってきたと、マーケテイングを勉強するとよく聞くことです。
お酒の飲み方も、従来とは少し違っているそうです。
「お酒そのもの」が好きなお客様は、どんな場面でもその銘柄のお酒を飲む傾向にあります。
一方で「お酒がある場面」が好きなお客様は、場面に応じて飲むお酒を変える傾向にあります。
「お酒そのもの」が好きな層には、今までの商品中心とした広報でモノは売れていきました。
でも、「お酒がある場面」が好きなお客様は、とくにサッポロビールでなくても構わないそうです。
サッポロビールさんでは、お客様の関心に沿ったコミュニケーションをするために、お客様の関心事を分析されています。
自分たちのお客様は誰で、どのようなことに関心があるのか。
「セグメント化」という専門用語を使わなくても、こんな人に商品を買ってもらいたい、こんな人たちと出会いたいと書き出してみると、どんな情報を発信していくといいのかアイディアがでると思います。情報を届ける相手が漠然としていると、何を話してよいのかわかりませんが、この人に知ってもらいたいと具体的な人をイメージすると、この人に役立つ情報はこれだと思いつくと思います。
会社プロジェクトとして動いている
インターネットを活用するから、サッポロビールさんではデジタルマーケテイング室があり、
お客様と深くつながるためにお客様の関心に沿ったコミュニケーションをする、そのけん引役となっているそうです。
インターネットを活用するために何をすべきか考え、具体的に実施する社員がいて、それが仕事として認められているのです。
小さな会社では部署を作ることはなかなかできませんし、専任のスタッフを採用することも難しい。
それでも、会社として取り組んでいかないと、インターネットを活用するところまでたどり着けません。
社員が交代でブログを書くというところからでもよいので、それは会社の大事な業務だと経営者が社員の方々に伝えて、仕事として認めてあげることです。
ブログを書くことも、ソーシャルメディアを使うことも、毎日の大切なあなたの仕事ですと、はっきり経営者が決められないから、
いつのまにかホームページもブログも放置されてしまうのです。
小さな会社は「個人」を見せよう
サッポロビールさんは、部署を作って専任のスタッフがいてデジタルの施策をされています。
Webサイトも複数持ち、情報を収集して記事を書く外部スタッフもいるとなると、そこに投資している金額も大きいはずです。
ひとつのWebサイトを作る予算だけで精一杯ということも多い小さな会社では、
お金をかけずにできることはどんどんしていくべきだと私は思います。
幸い、小さな会社では決定権を持つ経営者と社員の距離も近いので、みんな一緒になってソーシャルメディアで「個人」を見せることはできます。
社員さんが嫌がるときは強要になりますが、みんなで会社を盛り上げるために「個人」を出していくことは楽しいことではないかと思います。
自分の写真をソーシャルメディアに載せるだけで、お客様に覚えてもらい、結果としてモノが売れていくならば、考えようによってはカンタンな方法なのです。
人の写真はモノの写真よりも印象に残りますから、小さな会社の方が人に近い販促ができると私は思っています。
小さな会社にとってデジタルツールは強い味方なんです。
昨日は、サッポロビール デジタルマーケテイング室の室長さんから、直接インターネットの取り組みについて聞ける貴重な機会を得ました。
そこで考えていたことは、小さな会社ではどうしたらうまくインターネットを活用できるかということでした。
インターネット活用の計画をきちんと立ててみること、
自分たちのお客様と市場の傾向を知ること、
会社として、インターネットを活用するルールを作ること
上記のことは、小さな会社でもお手本にして、取り組んでみるとよいと思います。
そして、小回りの利く小さな会社ならではの「個人を見せる」ことに注力すれば、売上の状況もかわるのではないかと考えていました。
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この記事の投稿者
白藤沙織
Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。
営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。
仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。