好きなことだけして生きていく ~ ジュエリー作家(彫金師)プリシラの場合
最近、シルバーリングをしたり、コットンパールのネックレスやリングをしていたり、ちょびっとおしゃれさんになった私です。
このめっちゃテンションの上がる、素敵なジュエリーを作ってくれたのはこの方。
クマガイヒロコさん(ニックネームはプリシラ)
カフェでネックレスの最終調整をしている姿がかっこよかったの。これです↓
それで、私はお仕事の現場を見たくなって、プリシラにお願いしてみましたよ。
一番難しい彫金をやってみたい
プリシラは最初からジュエリー作家になったわけではなく、短大を卒業してから大手企業に就職しました。忙しく働いてきたのですが、ふと思うことがあって、前から好きだった彫金をやってみようと専門学校に通ったそうです。ジュエリーの中でも、ビーズや銀粘土ではなく、本格的な彫金を選んだのは金属を触りたいって思ったから。そのときは、まだ働いていて、趣味で専門学校に通い始め、2年かけて彫金の技術を一通りマスターしました。
2007年頃の話です。
初めて作ったのはスノーボードをモチーフにしたジュエリー。
スノーボードが好きで、スノーボードの形をしたものがないかと探したけれど、売っていないから自分で作ったとか。
写真左側のスノーボードは、地金からプリシラが作ったもの。シルバーと銅を一層づつ20層まで重ねて、熱して圧縮し、伸ばしながら柄を出していったそうです。この技術は江戸時代からある木目金という伝統工芸だそうです。
こんな技術です↓
ウィキペディアの解説ページhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E7%9B%AE%E9%87%91
400年の歴史がある技術を使ったジュエリーだよー。
そんな技術を身近な人が持っているなんて、びっくり(@_@)
さてさて、その後お仕事をノープランでやめたプリシラは、心理学を学ぶようになりました。心理学の勉強会では、ワークで「自分らしく生きるには?」「本当に好きなことは何か?」と突き詰めていったそうです。そのときに出た答えが「彫金」。シルバーでジュエリーを作ることでした。
心理学の勉強会では、心に響くメッセージをもらい、「言葉の力」に気づきます。いつも覚えておけるように、その言葉をスマホに貼っておくといいと言われたそうです。それはちょっぴりダサイ。それよりも、好きな言葉をずっと身に着けておくほうが素敵じゃないって思って、ジュエリーに大切にしたい言葉を刻む「カウンセリングジュエリー」を作り始めました。
そして、オープンしたサイトがこちらです。
5568 Mind Jewelry
https://5568-neja.jimdo.com/
facebookページ
https://www.facebook.com/5568mind/
そうそう、私のシルバーリングもカウンセリングジュエリーで、「You and me, completely close forever(あなたと私は、ずっとずっと一緒だよ)」って掘ってもらっています。見ているとにこっ笑えます。私の大切な言葉だから。
話がそれました。
世界にひとつしかないジュエリー
プリシラが作るジュエリーは完全オーダーメイド。
だから、世界にひとつしかないのよね。
今は100%口コミでお仕事をしています。
オーダーメイドのジュエリーを作りたくなったら、どうやって注文したらいいのかなと思う方もいるかも。そういうときは、まずFacebookのメッセンジャーかLineで連絡するといいかも。
お客さんから連絡が入ったら、取材をしながらイメージを作っていきます。好きな言葉とか、好きな石、好きな形、リングなのかネックレスなのかなど作りたいもの、好きなデザインを聞きながら、その人の想いも汲んで、提案すると言っていましたよ。
インターネットなどで、自分のイメージに近いジュエリーの写真を共有するのもよい方法だとか。
製作に必要な道具は徐々に揃えていきました。札幌に移住を決めたとき、「車があったら便利だよ」と言われていましたが、車よりも彫刻機を買うことを選んだそうです。ここに、プリシラの決意も感じます。
「個人の家に彫刻機があるのは、自分のうちくらいかも」と笑っていました。
プリシラの工房には、いろんな道具があるよ。
バーナーもあります!
こちらはバーナーで熱してできた、パーツの完成品。
いま、子どものときに夢見たことをやっている
プリシラはひとりで、材料の調達から納品までを担当しています。だから、石を使うときは石を探しに問屋さんも回ります。それから、デザインを始めて、ジュエリーができたらパッケージも、商品やお客さんのイメージに合わせて作ります。すべてが手作りなんですよ!
ジュエリーを作るときに、一番緊張するのは金属に石をはめる「石留め」と呼ばれる作業だそうです。作品を作る工程では最後のもので、ここで間違うと最初から作り直しなることもあるそうです。力が入ったとたん石が飛んじゃって、必死になって探し回ったこともあるとか。
ちなみに私のリングは「彫り留め」という方法が採用されています。石が入る台座の穴を開け、周囲の金属を鏨(たがね)で彫り起こして爪にして留めるという技法で、石留めの中でも熟練を要する方法だそうです。
カンタンに書きましたか゛、あの細いリングに台座と爪を作るって、、、
肝心の石の部分がぼけた写真でごめんなさい。
不器用な私には、絶対にできない仕事のひとつだな。。。
小学校のとき、プリシラは図工の先生になりたかったそうです。
図工の先生は職員室ではなく、図工教室にいて何かものを作っていたり、お茶を飲んだりしていて、なんだかほかの先生と違うように見えました。手先が器用で図工が大好きだったので、自分もなりたいって思ってたみたい。
仕事に忙殺されて忘れていた「好きなこと」。それを取り戻したとき、あの図工の先生と同じことをしているなって気づいたそうです。自分もモノを作っているし、ときにはカウンセリングで講師もしています。作ることと教えること。両方がいまできているんですね。
好きな事だけやって生きていこうと大手企業をやめるという大きな決断をし、ジュエリー作家の道を歩き始めて3年たちました。今後はビーズのアクセサリーや革製品も手がけてみたいとか。
一見クールに見えるプリシラですが、道具を前に彫金の話をするお顔に、熱い想いを感じました。
次は何を作ってもらおうかなぁ。
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この記事の投稿者
白藤沙織
Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。
営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。
仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。