人と人のつながりのありがたさを感じる ~ 大地震を体験して

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folder 白藤沙織のこと

9月6日(木)の午前3時ちょっと過ぎ、北海道で震度7の地震がありました。
私の住む札幌も震度6くらいの揺れだったようです。
幸い、私と私の身近な人たちは無事で、2日後の8日の朝には電気も水道も復旧したようです。
たくさんの方々が、寝ないで働いて復旧してくださったのですね。

電気やお水がないと、とたんに生活が不便になるので、本当に感謝します。 

この地震で亡くなった方もいらっしゃり、まだ行方が分からない方もいるそうですね。
復興のために働いている方々に感謝し、亡くなった方にはご冥福をお祈りします。そして、一日もはやく行方がわかりますように。

私の住む地区は、札幌市内の中では復旧が遅く、電気がついたのは7日の20時過ぎ。
停電を一日半経験し、インターネットは一時まったく使えなくなり、情報があまり入ってこない状況で過ごしていました。その中で、人のつながりの大切さをしみじみと感じました。

それは友だちとか知り合いとかだけではなく、普段まったく知らない人でも、同じ体験をして同じ場所にいることで、気持ちを共有できるありがたさもありました。

たぶん、忘れられない経験だったと思うので、文章にまとめてみようと思います。

地震とは関係ないけれど。緊張したときには、自然とふれあうと心が和みます

人のやさしさが一番ほっとする

地震が起きたとき、私は自宅で寝ていて、あまりの揺れの強さに飛び起きました。すぐに電気をつけようと壁のスイッチを押しましたが、カチカチいうのみ。すでに停電していました。
ちょうど一週間前、私は何かを感じていたのか、出張に出かける前にランタンをすぐに手に取れるように置いてありました。すぐにランタンを持って、水が出るのか確かめました。

実は私、2011年の東日本大震災のあと、仙台で仕事をしたことがあります。そのときに震災を体験した友だちから、地震のときにした方がよいことを直接聞いていました。すぐにそのことを思い出しました。

友人からは、まずは水を確保する、そしてコンビニで必要なものをすぐに買いに行った方がよいと。ものがなくなってしまうからです。

うっすら見える暗闇の中で、水をためておけるものを片っ端から手に取って、水を貯めました。お鍋とかペットボトルとかにね。

次にうちの近くにあるコンビニに行こうと考えてましたが、余震が怖いし、外に出て果たして大丈夫か心配でした。
日がすっかり明けた6時すぎ、まずは電池と食料調達をしようとコンビニに向かいました。

コンビニ周辺は車がたくさん止まっていて、中にもこんなに人がいるのーってくらい並んでいました。すでにパンやおにぎりなどは売り切れ。私はグラノーラ、カップ麺、お茶、冷蔵ができなくなって悪くなりそうなヨーグルト、ハムを調達。コンビニで必死に働くみなさんの姿に涙が出そうになりました。

この時点で私は、冬の地震ではなかったこと、一緒に住む娘といられたことが本当によかったと思いました。何度も、自分でその気持ちを確認していました。

地震直後から、Facebookメッセンジャーに連絡が入りました。状況の確認をしあう。そういうことが心強かったです。うちはこの時点でラインはつながりにくく、受信できるものの、私からは送れない状況でした。
東京の友だちも心配してくれて、どんな風に報道されているか伝えてくれました。

私、この時点で仕事をする気持ちは完全に喪失。朝の7時頃に社長から電話がかかってきたときには、すでに休業モードの勢い。この日は休業ということで指示を受け、スタッフみんなに電話すると、いつもより話をしてくれます。人は話すことで心のストレスが緩和できる。これは本当だなって思いました。

メッセンジャーで、停電は長く続くとか、断水の可能性があるかもと教えてもらい、地震は思ったより大きいと理解できたので、本格的に物資調達に出かけることにしました。我が家にあまり備蓄品がないことをちょっと後悔。やっぱり備えは大事ですね。

信号がついていない外は異様でした。

ドラッグストアが空いていると知り、まずはそこに行こうと歩いていたら、近所のパン屋さんの袋を持った方が歩いていました。
そうだ、パン屋さんに行ってみようと進路変更。
ドアを開けるといつものスタッフさんではなく、職人さんがレジにいました。停電するまでは普通にパンを焼いていたそうで、その後は余熱でパンを焼いたそうです。いつものパンと違うからと、パンは一個50円から売っていました。ありがたい。いくつかの食事パンと、食パンを買うことができました。
「ここが開いていてよかったです。ありがとうございます」と職人さんに声をかけると、デパートの催事に出店する予定で、パン生地が大量にあるそうです。だから、買ってくれた方がいいという話、材料が無駄になってしまうという話をしてくれました。後ろに並んでいた女性も「本当によかった」と話の輪に入ってくれて、なんかちょっとほっこりできたのがよかったなぁと思いました。こういう輪が必要なんだなと思いました。

その後、ドラッグストアで買い物しようとしましたが、ここが劇込み。入店の人数制限をしていたので、お店に入るまで2時間かかりました。
お風呂に入れそうにないので、身体を拭くためのウェットティッシュ、断水したら歯を磨けないのでマウスウォッシュ、缶詰、レトルトカレー、電池のほか食料を調達して家に帰るとすでにお昼。

パンが買えたので、すぐにお腹を満たすことができました。

その後は、インターネットもつながりにくくなり、時々しか受信できなくなりました。
ラインとTwitterはほとんどつながらなくなり、頼りのメッセンジャーもつながりにくくなってきました。

ラインは個人的に連絡をとることが多いので、ちょっと不安になりました。電気が通っていないことで、こんなにも情報から遠ざかってしまうのだな。

本当に大事だと思うことに集中しよう

入ってくる情報が少なくなってしまったので、そのときに起きていることに自分のカンや考えで対応しようと決めました。
それは、私の反応は今までと違うような感じもします。

たぶん、以前の私であれば、電源を気にしつつも情報収集をし、わかったことはSNSとかに流そうとか、会社に行って様子を見てこなきゃとかそんな風に行動したと思います。今回は自分も停電した感じです。
何をするにも待つことが必要。今はこの瞬間に集中しようと。そうすると、電気はないものの、幸いにも私は自分の家にいて、寒くも暑くもない。食べ物はある。家族も一緒にいる。余震がいやでしたが、なんだかんだ言って安全なんです。だから、まずは休養しようと決めました。

夕方になると見えなくなってくるので、身体から得られる情報も少なくなります。黙っているといろんな思いが浮かんできます。そのときに思ったんですよ。病気もした。今度は地震。命はいつ終わってしまうかわからないのだから、本当にやりたいことをしよう。正直な気持ちで生きようとね。

いま、大事なことは休養。いま、連絡をとらなければならない人はこの人。取りたい人はこの人。
いま、すぐにすることはこれ。
決めると心が落ち着いてきました。

うちは通信状況が悪く、電気が回復するのも遅かった地域なので、仲間の間で音信不通の存在になったみたいです。
2日目の朝、近くに住む友だちが家に直接来てくれました。「さおり、大丈夫なの」とドアが開いたときは、ちょっと感動でした。「車を出すから、買うものがあったら買いに行こう」って誘ってくれました。

バッテリーも使い切っていたので、スマホを充電したくて一緒に出かけることにしました。充電する場所のあてもなかったのですが、友だちが買い物をしたいというお店の近くのコンビニで充電サービスをしていました。私はこの列に並んで待っていると、お隣のauが開いて、「auでも充電できるから来てください」と呼びに来てくれました。auでは椅子に座って充電ができ、お水ももらいました。それがありがたかったです。野性のカンで、どこで何をするか決めるのもときにはいいことです。

友だちがグループに私の様子も伝えてくれていると聞いて、仲間ってありがたいなと思っています。

私ができることはほとんどなかったのですが、周囲に人がいるときは、できるだけ話しかけてその人の気持ちを聞こうと思っていましたし、買い物をするときは自分の必要なもののみにして、強欲にならないようにしようとか思っていました。

天然ボケの家系に生まれたことに感謝しよう

今回の地震で一番気がかりだったのは、遠くに住む母のこと。
固定電話は使えず、ラインも使えない。スマホから電話もつながらない。そんな感じでしたが。。。

連絡がとれないときは焦りましたが、スマホで何度も電話していたら、奇跡的につながりました。

「大丈夫だよ」という母の声を聞いてちょっと安心。「食べるものもあるしね」と。パニックになっておらず、なんかいつもの母でいてくれたことが何よりもうれしかったかな。近所の人が様子を見に来てくれたりしていたようです。

とまぁ、普通の会話をしたように聞こえますが、母は少し耳が遠いのと、通信状態が悪いので、なかなか会話が成立しないときもありまして、、、母は聞き取れなくなると、「どうでもいいから、大丈夫だ」と笑っているのがよかったです。

娘ともちょっとしたことで遊びに変えて、笑い合うことができるので、こういうときの天然ボケはほんといいなあと思いました。イライラをぶつけ合うより、何かしらふざけている方が希望だから。写真は我が家にあるランタン。自家発電できる優れもの。

なんとUSBコードをさして、オレンジの取手をぐるぐるまわすとスマホもちょっとなら充電できます。が、満足な電量を作るには、小さすぎて疲れます。娘と交代で笑いながら、取手をどれだけはやく回せるか競争していたのもちょっとした気分転換でした。

我が家のランタンは優秀です

夜にはマジで今何を感じているか、聞きあう時間も娘と取れたこと貴重な時間だったと思います。

で、やっぱり私も緊張していたようで、今回の地震には関係ないところにいて、私が安心できる人に心の中のことを正直に伝えて、支えてもらっていました。

私のことをわかってもらえる人もいるって思うと、身体に芯が通るようでよかっです。

7日の午後8時過ぎに電気が復旧しました。
ぱっとお部屋に電気がついたときのことは忘れません。本当に感動しました。涙がでたくらい。そして、ゆっくりお風呂に入って、眠れた仕合せ。インターネットもサクサク動くようになり、ほとんどいつもの状態に戻っています。

地震後の断水、停電。それによる生活環境の悪化。
それはきっとストレスとなっていると思います。

私はこれから、できる人とはさりげなくでも今回の体験を聞きあうことをしていこうと思います。
心の中にたまったものを出していくのはとても大事なことだから。
何を感じていたのか、何を聞いていたのか、そして何を思い出していたのか。
話すことで癒されていきますよ。

地震の影響はまだまだ続くと思います。がんばりすぎないように、過ごしていきましょうね。
自然はちゃんとうまくいくようにできているのだから。

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 この記事の投稿者

白藤沙織

Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。

営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。

仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。

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