プロデューサー・カウンセラーと役者の仕事の違いが興味深い

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プロデューサーもカウンセラーも役者も、人間に興味がないとできないこと。

なぜそのように行動をしたのか「思考過程」に注目したり、
どんな気持ちでその発言をしているのかなと「感情」を考えたり、
その考えや行動になる背景を知って、その人を理解しようとする。

そして、相手を理解するためには、自分自身のことも理解しておく必要がある。

ここまでは、プロデュースするにも、カウンセリングするにも、演じるにも必要なことです。
でも、それぞれの仕事には大きな違いがあるのです。
それがはっきりわかって、ますます人間と仕事に興味を持つようになりました。

こんにちは。白藤沙織です。

「演技をするのが本当に好きなのかな」って、自分を試したくなって、最近は映画監督さんや劇団を運営されている方が主催するワークショップにちょこちょこ参加しています。

演劇経験ゼロのまま、いきなり舞台に上がった私は、プロの方々から聞く話が新鮮で、演技って何だろうと興味津々なんです。

その中で、私が今しているプロデューサーやカウンセラーと、役者の決定的な違いを見つけました。

最初のお芝居したときのシーン

今日のブログは、完全に私の趣味、私の勉強のために書いています。
でも、ビジネスするにはお客さんを理解することが大事だから、ヒントになるかもしれません。

あくまでも第三者でいるか、無限の同情心か

それは、演劇の理論で「リアル」と「リアリティ」の違いを学んでいたときのことです。

リアルは、その役を分析していくこと。話のあらすじ、時代、自分の役はどんな状況にいて、どんな性格なのかを探っていくこと。

リアリティは、その役が持っている価値観や考え方、そしてその時の気持ちを、自分のものとしてとらえること。

ここまでは今までもなんとなくわかっていました。

新しく学んだことは、「自分の心理身体の状態」が「役の心理身体の状態」になっていないと演技は嘘くさくなるということです。

このお話を聞いているとき、私はリアルは自分の頭で理解すること、リアリティは自分がすーっとその役の身体の中に入っていくようなイメージになりました。かぶりもののように、自分が中に入りその人の動き、その人の心に同化していく感じです。

そして、ふと思ったんです。

プロデューサーやカウンセラーと決定的に違うなと。
プロデューサーもカウンセラーも、あくまでも自分は自分でいて、相手のことを理解しようとします。目の前にいて話している人に巻き込まれていくことはありません。
私は私、あなたはあなたです。

プロデューサーとして提案するときは、お客様の問題解決や目標達成するために私がよいと思うことを考えます。

カウンセラーとしてクライアントに方向性を出すときは、私の主観を置いておいて第三者的な視点でその人に有効なことを考えます。

役者は自分の価値観ではなく、第三者的な価値観でもなく、役の価値観でその時間を過ごすのです。自分でありながら同化する感じかな。

この話を演技の先生にしたら、こんなことを教えてくれました。

カウンセラーがクライアントと同化して一緒になって困っていたら、何も仕事はできない。その人の問題を距離をおいているからこそ、解決のための提案ができる。

一方、役者は役が困っていることを、本気で困る必要があります。役者の自分事とならないと、見てくれるお客さんがお芝居がおもしろいと感じられなくなるから。

エレオノーラ・ドウーゼと名優がいて、彼女は役と自分との境界線が限りなくなかった人だそうです。相手の話を聞いていると、すぐにその人の気持ちになり切ることができたのです。

これを「無限の同情心」と言います。

私はこう思うではなく、役はどう思うかで演技をするんです。

思い返せば、劇団藤村組のZoom劇で、私は自分の主観で演じて藤村先生に指摘されたなと。そのとき私は新任の町長を演じました。
練習の時に、私ならこのシーンでは絶対に冷静でいるって思って、そのように話したんです。でも、「そうではない」と言われたんです。
今は納得できます。私ではなく役がどう思っていて、その発言をしているのかって考えていなかったから。その場にいるのは私ではなく、新任の町長なんですね。それに気づいていなかったなと思いました。

日常生活もラクになりそうな予感

演劇の役のアプローチは、よくよく考えると日常生活にも役立つなと思いました。
人間と人間の関りを表現しているものだから。
もし、相手のことをよく知りたかったら、どんな価値観を持っていて、どんな経験されているのかなって考えていくといいなと思うのです。そうすると、自分と相手の違いが見えてくる。そうすると、自分の主観だけで判断しなくなりますね。

役者の「同情心」と、カウンセラーの「スルー力」。使いこなせたら最強だなと思いました。
※カウンセラーは、相手に巻き込まれてはいけないので話の内容はスルーする力が必要です。話の構造を聞いて、何が問題か予測するので。この違いはまた書きます。

日々の生活もお芝居みたいなものかもね

それにしても、だんだん私は何屋さんかわからなくなってきてますね。
今のところ、本業がWebプロデューサーとライター、人間関係に悩んで勉強したのがカウンセリング、好きで始めているのが演劇です。

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 この記事の投稿者

白藤沙織

Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。

営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。

仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。

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