どうして、お芝居「カメヤ演芸場物語」を見て涙がでたのか考えてみた
たくさん笑っていたのに、場面が転換して途中で涙が流れて止まらなかった。
パンフレットに「笑って、泣けてついでにくだらない」昭和人情物語と書いてあり、ベタな展開はわかっていた。
それでも、なぜこんなに泣けたのかなぁ。
劇団イナダ組の「カメヤ演芸場物語」を観た帰り道、心が動いた理由を考えていました。
こんにちは。
札幌でWebプロデューサーをしている白藤沙織です。モノゴトをズバリ言うので、「ズバリスト」と呼ばれています。
お芝居のことはよくわかっていないながら、ビジネス研修の一環として3年くらいお芝居の勉強をしています。
今回は「プロの役者さんたちは舞台で何をしているのか」、それを意識してお芝居をみようと決めました。
お芝居のファンの方々よりも事情を知らない私。
地下歩行空間(チカホ)でみつけた「札幌演劇シーズン」のパンフレットの中からおもしろそうな作品と思って選んだのが「カメヤ演芸場物語」です。
「笑って、泣けてついでにくだらない」昭和人情物語が再び!
2020年冬・札幌演劇シーズン(レパートリー作品)参加作品
劇団イナダ組『カメヤ演芸場物語』
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— 『カメヤ演芸場物語』公式 (@kameya2020) November 2, 2019
場の雰囲気は全員で作り出す
「カメヤ演芸場物語」は、昭和46年の秋から冬にかけての浅草にある演芸場の楽屋で起こるお話。夫婦の漫才師、トリオ漫才、落語家、支配人、進行係、事務員さんの日常生活に、学生運動の一斉検挙から逃げてきた学生が飛び込んでくるところから始まります。
劇場にいて感じたのは、お芝居を楽しむ空気ができていたこと。
これは演じる役者さんたちも素晴らしいと思うのです。そして、最初に場が和んだ代表のイナダさんのトークにもあるのではないかと思いました。
急きょパイプ椅子を追加しなければならないほどお客さんが入り、その準備の間イナダさんが観客と話したのです。お芝居中に観客席が熱くなることに配慮して、「気分が悪くなったら、お芝居中でもいいから席を立ってください。出ずらかったら、舞台の上を通ってもいいですから。役者が話しかけるかもしれませんがね」と言っていました。
えーっ、役者さんが演じている最中に舞台を通ってもいいの~。びっくりしました。
お芝居中に舞台の上を観客が通ることは普通ならあり得ないから、なんとかなく周囲が和んだんですよ。
そんなちょっと柔らかくなった雰囲気から話は始まります。
お芝居は昭和の漫才ブームのような懐かしい感じがしたし、何をするのか予測がつく笑いもあります。わかっているからこそのおかしさがあるのかな。
めっちゃ笑ってお芝居を見ていたのですが、途中からはらはらすることがあり、そして自然に涙が流れてきたんです。すすり泣きしている人も多かったかな。
詳しくは書きませんが、それは威勢のいい夫婦漫才の奥さんが芸人をやめざるをえなくなったときのことです。
話の筋がわかりやすいので、たぶん展開は予測していたのに、ぐっと舞台に引き込まれて涙が流れていました。
それはなぜなのか。
素人の私たちが演じて、ここまでお客さんの涙を引き出せるのかな。
悲しさが伝わってくるのはなぜだろう。
いっぱい考えていました。
役者さんたちは、そのシーンではオーバーな感情表現はそれほどしていませんでした。淡々と思いを伝えていたように思います。
私の中では、明確な答えはまだ出ていません。
漠然と思っているのは、
最初からお芝居に集中できるような雰囲気が作られていたこと、
役者さんが役を躊躇なく演じていたこと(当たり前ですが素人は難しいことあります)、
その場にいる役者さんが全員で雰囲気を作っていたことなのかなぁ。
などです。
全部、プロの世界では当たり前のことなんだと思います。
が、話していないときも演じるって、意識しないと忘れているのが素人の役者。
そんな風に思いました。
場の雰囲気は全員で作り出す。これを徹底しているのがプロなのですね。
あとは、プロの役者は演技中にふらふらと意味のない動きをしていませんでした。
それがすごいと思っているんですよ。
あぁ、稚拙な表現しかできない自分がもどかしい。
この日はお芝居のあと、イナダさんと役者さんたちのトークがありました。
舞台の照明が全部消えて、真っ暗な中で場面を展開する「全暗転」の話があり、それが興味深かったです。
役者さんの中には、全暗転が得意じゃない方もいらっしゃるようでちょっと安心。
私は昨年のエクスマ新春セミナーでお芝居をしたとき、全暗転の舞台から降りるのに足がすくんでしまったから。
全暗転が得意な役者さんが、そうでない役者さんを連れて、舞台からはける(舞台から降りる)ときを再演してくれて、あぁ何とか周囲の方と協力して、舞台からはけることができればいいんだなとほっとしました。
そして、セリフが少ない役者さんも、ずっと同じセリフを練習し続けていたという話も聞きました。ふむふむ。
まずは与えられた役を精一杯、自分史上最高に演じることが大切ですものね。
そういうところでも、勉強になったお芝居でした。
カメヤ演芸場物語では、お芝居の最中に何度か「客の拍手が、笑いの渦が、まだ聞こえる、まだ鳴りやまぬ」というセリフが出てきます。
私も「客の拍手がまだ鳴りやまぬ」と意ってもらえるうな演技がしたいと、生意気にも思った次第です。
がんばるぞーーーっ。
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この記事の投稿者
白藤沙織
Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。
営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。
仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。