母と私とパソコンと
この世で一番難しいと密かに思っていることがある。
それは、80歳近い母にパソコンを教えることなのだ。
つい最近、iPhoneを買ったので難易度はさらに上がった。
本日はiCloudでWindowsに取り込んだ写真を、アメブロで使おうとすると向きがおかしくなるという問題を解決した。
そして、母はペイントを使っていったんWindowsで上書き保存しておくと、写真の向きがおかしくならないということを学んだのである。
理屈は今ひとつわかっていないらしいが、とにかく操作は覚えた。
人に何かを教えるということは、なかなか難しいことではあるが、身内となればさらに難しいと思う。何せお互いに感情が混じっちゃうからね。
私の母は父が亡くなったあと、真っ先にパソコンを買ってアメブロでブログを書き始め、高齢者のためのソーシャルメディアの会員になり、パソコンライフを楽しんでいる。街の若い人たちが母のパソコン環境を作ってくれており、私はガラケーを提供したはずが、気づいたらAndroidのスマホとタブレットを持っていた。それを最近iPhoneに持ち替えて、親せきとLINEをしたり、ゲームをしたりしているらしい。
こんな母だから、ITに詳しいかと言えば、実はそうではない。
アメブロの操作、Gmailでのをメールの送受信、写真のコピーの仕方などピンポイントで覚えていったのだ。
だから、応用して何かをするということができず、予想外のことが起こるとそこで止まってしまう。
私が帰省するということは、母にとってはレスキューが来たことを意味するのである。
娘と一緒に帰省していたときは、娘も説明役をしてくれたのだが、、、
最近、長期休暇では友達に会うのに忙しく、一緒に実家に行ってくれなくなってしまったので、私がひとりで担当することになっている。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、今はWeb制作をメインの仕事としているけれど、私はソフトウェアの操作方法を書く「マニュアルライター」でもある。つまり、私は操作方法を書くプロなのだ。
「あら、こんないいものが書けるんだ」とか言われたけれど、あなたの娘はこれであなたの孫を育ててきたのである。
母は私を「プロ」だということを疑っている節がある。
なぜなら、おかしくなったパソコンをすぐに直せないからである。
こちらからすれば、母のトラブルをひとつひとつ理解しているわけではないのである。
「こうなってしまった、解決せよ。あなたプロでしょう」とか言われても、どんな操作をしてそうなったのかなど、詳しく聞かないとわからないことも多いのだ。そうして、エラーになっている状況を確認して、自分でインターネットで情報を調べながら操作してみないことには解決できるかどうかもかわらないことがある。こちらも試行錯誤で解決策を見つけるのだ。
そして、それをさらに相手にわかるように説明するのが大変な作業なわけで。。。
仕事の場合は、何度も操作をして説明の順番を決め、文章を書いたあとに、さらに操作しながら校正をする。
が、実家では目の前で起きた事象と解決策を説明せねばならない。
しかも、若干耳の遠くなった母に「もごもご言われると聞こえない」などと言われ、めげそうになったり、イライラになったり。。。
何度説明しても次の瞬間忘れているようなそんなこともあり、相当根気のいる作業になるのだ。「パソコンやソフトウェアのユーザーサポート係りの人はえらいなー」とつくづく思う瞬間でもある。
こうして、帰省するたびに質問の集中砲火をあび、「丁寧に教えろ」「もう忘れちゃったの」「めんどくさいんでしょ」「めんどくさいよ」とだんだんと親子げんかのレベルに突入したりするのだが、、、
「ITのことはさっぱりわからない」とブログやSNSを敬遠している50代・60代の経営者も多いというのに、わが母は日々挑戦しているわけである。さらに他の人のブログで素敵な写真加工の方法を見つけたら、自分もやってみたいと技術のアップデートをし続け、iPhoneでInstagramを使うようにまでなったのだから、もしかしたら最新のマーケッターになれるかもしれない(笑)。
しかも、高齢になっても元気で、ITに興味をもって質問してくれることは、実はありがたいことではないか。
私も広い心をもって、母に優しく接したいなぁと思うわけですが、、、
実際に説明する段になると、そんな想いはふっとんでしまうのである。
修行が足りないねーーー。
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この記事の投稿者
白藤沙織
Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。
営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。
仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。