税理士の仕事は、ネットで受注できるのか?
「税理士さんのホームページを作っているんですよ」
異業種の経営者が集まる勉強会で、たまたまホームページの話になったとき、こんな話をしました。そうしたら、ベテラン税理士さんがこう言いました。
「税理士の仕事は、ホームページでなんか探せないよ!」
さて、その後どうなったでしょう。
ホームページ集客をがんばろうと思った税理士さん
税理士の吉田先生と初めてお会いしたのは、2010年頃かな。私が主催しているWeb活用塾を受講してくれました。
まだ、ほかの税理士事務所に勤務されているときで、ご自身の情報発信をしたいという感じではなく、どこか他の方と違った雰囲気だなと思っていました。誰かに指示されて、情報発信とはどんなものなのか研究されてるのかなと思っていました。
それが、、、
2012年のこと、独立して税理士事務所を開くことになったので、ホームページを作りたいと吉田先生が声をかけてくれたのです。私のことを覚えていて、連絡をもらったのがとてもうれしかったんです。
吉田先生は、まだ30代の若い税理士さんです。
税理士さんと一度顧問契約すると、経営者としては簡単には税理士を変えるってことはしませんよね。
だから、独立されてもすぐには仕事がなく、苦労されていたようです。
詳しくはこちらの記事を読んでみてくださいね。
スタッフ紹介 → 代表税理士吉田匡
http://s-keieishien.com/staff/yoshida.html
それでホームページを使って集客してみようと、私に連絡をしてくれました。
Web活用塾からしばらくたっていたのに、覚えていてくださったんです。
それから、ホームページを制作して、月に一回必ずホームページでの集客を考える時間を作っています。
最初は思うように反応がなく、私も焦っていたりしましたが、、、
どうしたら仕事がよくなっていくのか。吉田先生はホームページのほかにも、ニュースレターやメルマガなど、そのときにできることをコツコツとやって、状況を変えていったと思います。
試行錯誤で見えてきたこと
毎月のホームページの打ち合わせでは、ホームページのアクセス解析をしてその中の気づきを私が提案したり、吉田先生がこうしたいという話をしたりして、どう行動していくのか決めていきます。
行動するのはすべて吉田先生です。吉田先生はホームページのことはよく研究されて、他の税理士さんのホームページで良いところは取り入れたり、動画配信をしてみたり、ホームページの改修も積極的です。
あるとき、「白藤さんはエクスマをされているんですか?」と聞かれました。ご自分もエクスマを提唱している藤村先生の本を読んで興味があると言うのです。それはちょうど、私が65期のエクスマ塾を終了して、FacebookやTwitterにエクスマのことを投稿し始めたときでした。興味があるならばと、小樽で行われたエクスマセミナーや札幌の塾生の勉強会を紹介して一緒に活動するうちに、札幌で行われたエクスマ塾への参加も決めました。
SNSもおススメしていましたが、あまりお得意ではなく、それほど積極的ではありませんでした。ネット上で友だちと交流するのがどうも苦手のようです。それでもエクスマ塾に参加されてから、塾の同期の方々と交流してSNSも楽しめるようになっていきました。
こうしたホームページの取り組みで、気づいたことがあります。
まず、お客さんが必要としている情報は、勇気が必要でも発信してみること。アクセス解析レポートを元に打ち合わせをしていると、「無申告」というキーワードがあることに気づきました。本来ならば税金を納めなければならない状況にあるのに、いろんな理由から手続きをしてこなかった人たちがいます。これが無申告です。こういうお悩みは、なかなか友達には相談できないかもしれません。だから、解決策はないかとインターネットで検索するのですね。
ところが、税理士さんのホームページには、無申告のことを詳しく書いていないことが多いのです。マイナスのことだから、記事を載せることにちょっと躊躇してしまうのでしょうか。それで、吉田先生は思い切って、「無申告」の特集ページ(ランディングページ)を作って、次年度からは誠実に税の申告をするという約束をして、このような方々の仕事を積極的に引き受けることにしました。そうすると、秋から冬にかけて無申告のお問合せが多くなり、ひとつの受注の入り口となっていきました。必要としている情報を公開して、お問合せに結びついている仕組みです。
http://shinyou-mushinkoku.com/
「負の解決」はホームページやブログが向いている
SNSで一時、「着物税理士」としてはじけた(?)吉田先生ですが、もともと物静かな性格もあってか、使い続けるのはちょっぴりハードルが高いようです。
ですが、ホームページとブログは違います。文章はすべてご自分で、丁寧に書かれています。「ホームページをわが子のように育てている」と言っているのは本当で、私が担当させていただいているどのお客さまよりも、まめにホームページをメンテナンスし、ブログを書かれています。一回作ってそのまま放置ではなく、いろいろと手を入れていきます。税理士は企業の機密事項を共有する立場の方ですから、SNSではじけているよりも、堅実にブログを書いている方が信頼感が伝わりますね。
そして、「不」のこと、マイナスなことは、SNSで困ってますとなかなか言えないと思います。友だちには秘密にしておきたいことだから。だから、検索してたどり着いたホームページやブログが重要なのです。そこに検索者の疑問が解決できる情報があることで、さらに詳しく問い合わせをしたくなります。そして、何度もホームページやブログを訪問してから、問い合わせをもらうと、もう吉田先生やサービスのことはだいたい理解できていて、仕事を頼む前提になっています。だから、面談からの成約率は異常に高い。これも税理士とはどういう仕事をする人で、自分はどういう背景で育ってきて、いまどういう想いで仕事をしているのか、サービスの話と合わせて発信し続けた成果です。
「税理士の仕事はホームページでは受注できないよ」
そんな思いこみを、吉田先生は吹き飛ばしました。今では、売り上げの約7割は、ホームページからのお問合せかがきっかけになっています。そして1人で開いた事務所も、今では4人のスタッフさんが働いている事務所になりました。
「若い」というハンデがあったからこそ、税理士の常識から逸脱できたのかもしれませんね。
おまけ
吉田先生と私は、現在賭けをしております。7月1日までにブログ記事を90本書く。達成できなかった人が鉄板焼きをおごるというもので、全員達成したら正文舎からお祝いとして、接待交際費で食事をするというルールです。
打ち合わせに同席していた新井は、この賭けに巻き込まれました。そして、同じエクスマ塾生で私のお客さまでもある、ケルプ研究所の福士社長が賭けに自主参加されています。さて、この賭けどうなるのか!!!
食事はひとり一万円くらいとなっているので、負けたら合計4万円の出費です。
o(・`д・´。)よーし!やるぞー!!
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白藤沙織
Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。
営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。
仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。