同じように仕事のPRをしているのに、伝わる会社と伝わらない会社があるのはなぜなんだろう
「これからはインターネットの時代。ネットでモノを売らなきゃね」
こう思っている会社さんは本当に多くなりました。
私は2006年頃から「営業でブログやホームページを使えますよ」ってお話をしていますが、最初の頃は「そんな危ないことするな」と言われたこともありました。
それが今は、少なくともそのようなことは言われません。「どうしたらかなぁ」という相談も多くなりました。
理想は社員のみなさんが「個」を出して、好きなことや興味のあることをどんどん発信していくこと。
でも、これは従来の会社組織にとっては新しい考え方なのか、受け入れられないこともあります。
Facebookページにスタッフさんが交代で、商品やサービスのことを書くのが精いっぱいってケースもたくさんあります。
個人は見えない、人の写真はあまり載せない、投稿しているのは商品やサービスのことのみ。同じ条件なのに、不思議と反応が増える会社さんと、投稿は一生懸命しているのになかなか反応がない会社さんがあるのですよ。
それはなぜなのなかぁ。最近、こういうことを考えています。
情報発信して何がしたいですか?
反応があるなしって、何のために情報発信しているのか気持ちの部分で差が出るのではないかと思います。そして、本当に見ているのは誰なのか。同じ行動でも、気持ちが違うと結果は違うんです。きっとね。
いわゆるインスタ映えするような商品があったり、一眼レフのカメラで撮影してPhotoshopで加工して美しい写真を使っていたり、社長をはじめ一丸となって広報しようと力を入れている割には、投稿もままならなかったり、反応がない、反応がないと悩んでいる会社さんがある。
一方で、
やっとスマホの使い方を覚えてFacebookページに写真を上げるのが精いっぱいだったり、いろんな事情で社員さんはできないから社長さんがすべてを引き受けて投稿していたり、そんな状況でもお客さんからの反応があって、だんだんといいねが増えたり、ものやサービスが売れていく会社さんがある。
この違いは何なんだろうなぁ。
それでふっと気づいたことがあるんですよ。
見えているものが違うんだなって。
反応がないって言っている会社さんは、問題点を気にしています。だから問題がフォーカスされるし、そのことばかり考えています。「反応がない」って言い続けていたら、反応がない部分だけ見て、少しの変化に気づかないのだと思います。
私は一度、「商品が一個や二個売れたも仕方がないんだ」と言われたことがありますが、無料で情報発信して商品が一個、二個とと売れていくのはいいことなのではないかと思うんです。反応があったという事実に気づいていないと思うですね。
発信している方も義務感だけでやっていると、あまり楽しそうじゃないところが投稿から伝わってしまいます。美しい写真だけれども何か心が入っていないような場合は、やっぱりお客さんには何も伝わらないと思うんです。
広報が目的になっていて、本当に見えているものは会社の中だと思います。つまり、自分の仕事の評価をする会社ですね。
だから、お客さんには心が伝わらない。
別のある会社さんでも、入社してからFacebookのアカウントを作っていました。でも、広報に必要だからと目的を理解していました。特に自分のアカウントで積極的に発信されていませんが、会社のFacebookページの投稿は、「どうしたら反応があるか」「どうしたら喜んでもらえるか」って考えて工夫されています。私はその方と話をすると、未来を見ているなって思うんですよ。少しでもお客さんに知ってもらいたい、ここから商品が売れるといいなと思っているから、これやってみようと思ったことにはすぐに取り組んでいます。情報発信が楽しくて仕方がないかと言われれば、そうでもなさそう。でも、自分の仕事は「情報発信して売り上げを伸ばすこと」と自覚されていることがわかります。
広報が手段になっていて、本当に見えているのは買ってくれるお客さんなんですね。だから、興味を持ってくれるような工夫はどんどんしています。「反応がない」と悩んだままにしていないし、売れたらすごく喜んでいます。こういう素直な気持ちは、伝わります。買った方も喜んでくれたら、気持ちがいいですよね。
「みんながやっていてよさそうだから写真を撮ってます」「ライバル会社も始めているから、Facebookも始めました」最初はこんな動機でも、いいと思うんです。発信することの方が大事だから。でも、そろそろ慣れてきたら、いったい何のために、誰を見て情報発信しているのか、振り返ってみることお勧めします。
それでも読んでもらうお客さんが見えなかったら、SNSで反応はもらえません。まして、モノは売れません。自分のことを考えてみるとわかると思います。一般的に営業の仕事がちょっと敬遠されるのは、自分が欲しくないときにいろんな理由をつけて買わせようとしているからでしょう。会社都合の投稿は、それと同じことしていると私は思います。
もちろん、売りの投稿は必要だけれどね。投稿するときに、会社の反応を気にするんじゃなくて、誰に勝ってもらえるのかなぁとかわくわくしてみたらいいのにって思います。
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白藤沙織
Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。
営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。
仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。