いがぐり頭のカツオくんは、最先端の生き方をしている男性らしい

いがぐり頭に、長袖シャツを半ズボンにインして着る磯野カツオくん。
典型的な昭和の男の子をイメージさせ、最先端を生きる少年には見えませんが、、、

評論家の樋口恵子さんによると、カツオくんは「21世紀を生きる新しい男」なのだそうです。
あのカツオくんが?
なぜ、彼女はそう言っているのでしょう。

こんにちは。小さな会社のWeb屋 ときどきライター の さおりんこと、白藤（しらふじ）沙織です。

5月の最終週の土日は、体調を崩して家でじっとしていました。時間がたっぷりあったのもので、今まで積読してた樋口恵子さんの「サザエさんからいじわるばあさんへ 女・子どもの生活史」という本を読んでいました。

サザエさんをぼーっと読んでいるだけでは気づかない、昭和の歴史や長谷川町子さんの世界観がわかっておもしろかったですよ。

サザエさん、当時の常識を逸脱している漫画です。今日はその中でも、磯野カツオくんに焦点をあててみます。

カツオくんの才能は家事・育児

4コマ漫画サザエさんに出てくるカツオくんは、推定小学校5年生。
勉強はあんまりできないれど、友だちと外でよく遊んでいる元気な男の子です。

実は、彼は家事が得意で、波平さんやマスオさんよりずっと生活力があるそうです。
私は気がつかなかったのですが、樋口恵子さんの分析によると、カツオくんの家事分担率は非常に高いのです。

たとえば、こんな感じ。

遊びの延長上で、庭掃除、お使い、犬の散歩などをしている。
大掃除、お祭り、演芸会など地域のイベントではコーディネーター的役割をする。
雑巾がけ、お膳立て、食事の後片付け、子守りも得意。
女性に人気の放送がある日は、波平さんとマスオさんを誘って台所にもたちます。

修学旅行では、てんてこまいの旅館の従業員さんたちを気遣い、食事の後片付けもしています。あまりにも要領がよくて、旅館の主からスカウトされるくらい。

樋口さんは、カツオくんをこのように評価しています。

カツオくんの分担率の高さは、「家事は女性」「お手伝いは女の子」という伝統的性別役割分業観をきっぱり否定している。

「サザエさんから意地悪ばあさんへ」樋口恵子 p.104

言われてみると、カツオくんは2歳くらいのタラちゃんとも一緒にお風呂にも入っています。テレビアニメの5歳くらいのタラちゃんであれば小学生のカツオくんが一緒にお風呂に入ってもわかります。でも、まだ手がかかるタラちゃんを抱っこして入っているんですね。（サザエさん第三巻p.51）

令和の今でも、子どもをお風呂に入れられないお父さんもいるというのに、カツオくんはごくごく日常でタラちゃんとお風呂に入っているようです。

カツオくんが生きた時代は、まだ男女雇用機会均等法も施行されておらず、家庭科も男女が共修の時代でなかったときのこと。新しい時代の男性のモデルになる存在なんですね。

人の生き方をよくよく聞くと、いろんな才能があるんだなぁと思いながら読んでました。

でね、男だからこうで、女だからこうっていうような決めつけは必要なく、カツオくんのようにノビノビと自分のしたいことをするのがいいなぁと改めて思いました。

樋口恵子さんの本は、新たな視点を与えてくれました。
そんなこんなで、咳をしながらサザエさんばかり読んでいる私です。

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ではでは～

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