ヒラの取締役こそ、高度なコミュニケーション能力を身につけよう
会社組織では、ヒラの取締役が一番高度なコミュニケーション技術を要求される。
私はそう思っている。
労働基準法で守られる社員でもなく、会社法上責任がある「役員」であり、そうかといって代表権を持たないのがヒラの取締役だ。
社員でもなく、かつトップでもない。この微妙な立場にいると、社長にも社員にも何かと気を使うことが多い。それゆえに鍛えられることも多いから、人間としてかなり成長するのではないかと思う。
こんにちは。Web集客のことをずばり言う「ズバリスト」、白藤沙織です。
ヒラの取締役は、会社のNo.2やNo.3という立場ですね。
私の経歴をまとめますと、1993年の1月から前職のヒラ取締役に就任し、2012年~代表取締役を経験。その後2015年からは正文舎の取締役になったという、まぁ社員、社長、取締役と3種類の立場を経験している多分珍しい存在です。しかも、どの会社も社長との関係は「赤の他人」。そんな私が思うことを書いてみます。
(日本では女性でヒラ取締役というと、社長の血縁者か配偶者であること多いんです)
リーダーシップも取れるし、アシスタントもできる貴重な存在
自分でズバリ書くと、ヒラ取締役はリーダーシップも取れるし、アシスタントもできる貴重な存在である。
社長不在のときは社長に代わって経営的判断をするし、社長の想いを実現するために、具体的な采配をする。経営会議のメンバーで社長の考えや方針を直接聞くし、財務状況も理解しているから、確実に社員にその指示を伝えることができる存在。法的には経営者だから、社長と近い考え方をしている。一方で社員と一緒に実務もするから、社員にも近い存在である。
だから、ヒラ取締役の重要なミッションは、社長と社員の間に入って「翻訳」することと思っている。
たとえば、
「これからのうちの会社は、下請業者から脱却します。企画提案して仕事を生み出せる企業になります」と社長が言うとしましょう。
たぶん、これを聞いている社員は「どうやってなるのかなぁ」とか思うだろう。そして、目の前にはやるべき仕事があるので、普段通りの仕事に戻るのである。ここでは、思考の変化はないから、いつか誰かが企画提案するんだろうなぁという感じになる。
もしくは、これから企画提案していこうと意気込んだとしても、「緊急でこれをお願いします」とか言われ、その意気込みは行方不明になる。
もしくは新しい部署ができる。何をしていいのかわからないけれど、とにかくできる。配属になった社員は、とにかくがんばる。
まぁ、こんなものではないでしょうか。
では、ヒラ取締役はそのとき何をしなければならないかというと、翻訳しながら社内の交通整理をすることである。
何よりも大事なのは、誰がどの役割を担っているのか、はっきり宣言するのだ。
社長は現場のことを把握していないこともあるから、そこは適当に解釈して伝える。そのくらいの権限はあるはずだ。
たとえば「〇〇さんは企画担当になったの。しばらく勉強するから、この仕事はできないかもしれない。だから、その間はみんなでカバーしてね。大丈夫、誰がどんな仕事をしているのか、ちゃんと見ているから、それも社長に報告するよ」とか言っておく。そうすると社員は混乱しない。
要するに、社長の言っていることを細かく砕いて、社員それぞれが受け取りやすいようにしておくのだ。
まぁ、社長の仕事でもあるのだが、ヒラ取締役としてせっかくいるのだから、社長には銀行周りなどしていただいて、社内を整える役割を引き受けた方がよいと思うのだ。
次に会社で仕事をしていると、社員が会社経営に役立つようなつぶやきをすることがある。こんなことがあるといいなとつぶやくのである。こうしたら改善するなどという意見にはなっていないが、意見なんだなとキャッチしておく。
そして「へぇ、これを使うと作業効率が良くなるんだ。年間〇〇〇円の投資が必要なんだね。でも、みんなラクになるね」とか、導入するかどうか社長が判断しやすいように情報を変換していく。ここでも「翻訳」が大事なのだ。
こんな風にスムーズに社内で情報が流れるようにすることが理想だ。
だが、一歩間違うと、社内の雰囲気を悪化させるのも、またヒラ取締役だったりする。間違った情報を伝えたり、社員との接し方を間違ったりすると、微妙な立ち位置であるがゆえに、社員の信頼を失い、社長からも煙たがれる存在になってしまう。
四面楚歌。
こうならないためにも、ヒラ取締役はコミュニケーション能力が高い方がよいと思うのだ。そして、ふたつの役割を使い分ける演技力も必要かもしれない。
で、私は「ふたご座生まれだから、ふたつの役割がある方が面白いわね」とか思ったりするのである。
至らないこと山盛りって感じもありますが、できるだけわかりやすく丁寧に仕事をしていこうと思うのです。
ではでは~
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この記事の投稿者
白藤沙織
Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。
営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。
仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。