共感力が高くてお客様との関係は良好なはずなのにビジネスがいまいちな理由
共感力は、人の気持ちを理解して信頼関係を作るのに大事な力です。しかし、共感力が高いがゆえに、ビジネスがうまくいかないことも多々あるってことがあります。
お客さんの気持ちに寄り添い、いつも気配りできて、いつも「ありがとう」と言ってもらえるけれど、なぜか売り上げは伸びない。
こんなときは、共感力の高さがビジネスの邪魔をしているかもしれません。
こんにちは。札幌でWebプロデューサーをしている白藤沙織です。
共感力が高いとその場での人の気持ちを察することができ、その場の雰囲気を大事にできるので、生きていくために必要な力とさえ思う私です。が、人の気持ちに寄り添っていることで、見えなくなることがひとつあります。
それは、「事実」なんです。

共感力だけでは友だちはできてもビジネスはできない
たとえば、ある人が「楽しいですね」と言ったとき、「そうですね。楽しいですね。」と気持ちを共有できたら、お互いに気分がいいし、話も盛り上がりますよね。
そのとき、自分も楽しいと感じていると、「楽しい」感情が優先されます。
そうすると、その人への関心が薄くなっていくんですよね。
その人がなぜ楽しいのかが、わからない。
事実を把握しようとしたら、
- 表情はどんな感じ?
- 何を話しているの?
- どんな口調だったのかな?
など、その人を観察して分析する必要があります。観察してや分析し出すと人と少し距離をおくことになります。
「その人が何に心を動かされているのか」に関心を持ち、その人の話していることなどをじっくり聞くことで、その人への理解が深まります。それには共感力よりも、冷静さや分析力の方が大事になります。
人の話を「うんうん、うんうん」と大きくうなづきながら聞いているときって、その場のその人の気持ちに同調しているだけで、話の内容を覚えていなかったり、その人の特徴を把握していなかったりします。自分の想いだけで聞いている感じ。
本当にその人が何を話していて、どんなことを感じているのか聞き取ろうとするときは、集中力が必要になるので、自分が「うんうん」言っている暇はないと思うんですよ。あまり凝視して話を聞かれると話し手が居心地悪くなるので、柔らかい表情でときにはうなづきながら聞く必要はありますけどね。
なぜこんな話をするかというと、ビジネスはお客さんの問題を解決したり、希望を叶えることで成り立つじゃないですか。そのときに、お客さんの本当に必要としていることを理解しようとしたら、冷静に事実を把握すること必要なんです。
「私、困っているの」と言われて、「そうか困っているね。それは大変だね」と言ってることではビジネスにならず、「こんなことで解決できよ」って提案することでビジネスになるのです。
もう少し例をあげますね。
この秋の私のマイブームは銀杏です。めっきり少なくなった懇親会ですが、居酒屋に行って銀杏があるときは必ず注文します。

ところでなぜ注文するの?
「銀杏を見ると注文したくなっちゃう。銀杏、秋らしくていいよね~」
と私が言って、
「そうだよね。銀杏は秋。食べよう~」
って言ってもらえると、あぁわかってもらえた。うれしいなって思うんです。
でも、「なぜ銀杏に秋を感じるのか」「なぜ銀杏ばかり食べるのか」とかいうことに興味を持った方が、本当の私を理解してもらうことになると思うんです。
私がなぜ銀杏を選ぶかというと、もちろん好きなこともあります。ですが、アツアツで出てくるし、皮をむくにも時間がかかるので、食べ過ぎを避けることができると思っています。それは身体を鍛えている私にはうってつけなんです。
そういう私に「さおん、銀杏が好きだらプレゼントするね」って銀杏を渡してもらったら、「ありがとう」ってにっこり笑い、その人はいい人だなって思います。
一方、「さおりんは銀杏で食べ過ぎを工夫しているんだから、食事にも気を付けているんでしょう。どんな身体になるのが理想なの?」とか話して、忙しい人のための健康になるレシピなど提案されたら、あらっ買ってみようかしらって興味を持ちます。
(あっ、もちろんあからさまに売り込まれると困るけれど(^^;)
その人の本当の望みは共感だけしていてもわからないのです。ビジネスのよいヒントがあったのに、見逃していることもあるの。
普段お客さんと接しているときは、共感する自分と、冷静に分析している自分を使い分けできるようになるといいと思うんですね。
今は気持ちに寄り添っているんだとか、今は分析しているんだと自分で意識できたら最高だと思うんです。

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この記事の投稿者
白藤沙織
ただいま演劇に夢中。そして、ダンスとヨガとピアノが好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛するWebプロデューサー「さおりん」です。
考えをはっきり言うズバリスト。その性格を生かして、Webのこと、生き方のこと、本のことなどなど、ずばり言います。
小さな会社の経営者と、アラフィフ女子がキラキラと輝くためのお手伝いがしたい。そんな思いで日々活動中です。
プライベートでは、ひとり娘のシングルマザー。仕事と子育てとめいっぱいがんばってきたので、人生のパートナーができるといいなぁと密かに夢見ています
上級ウェブ解析士、エクスマ59期・65期、エヴァ16期